モニター(ディスプレー)調整



山内 昭
市販のパソコン(Windows、Macとも)をお使いの場合、ほとんどの方は購入したままの状態で使用されているのではないだろうか。新規にフルセットで買われた方も、モニターのみ買い換えた方も、一度下のテスト画像を参照していただきたい。
一般的に、売られているときの設定はモニターの色温度が高く、多くは9000K以上に設定されている。また、コントラストが高く、輝度も高く設定されている。環境が明るい店頭で展示されているとき、その方が派手に見え、見栄えがするからであると言われている。しかし、実際家庭で使用する場合、そのままでは正確な色が見えず、眼も疲れることになる。また、コントラストが高すぎ、暗部の階調はつぶれ、明部の階調は飛んでしまうことも多い。一見するときれいに見えても、階調が失われた写真では情報が欠落していることとなり、重要な部分を見逃してしまう可能性もある。
下記画像の説明に該当する場合、一度モニターの調整をされることを薦める。これは本サイトを閲覧する場合に限ったことではなく、普段からそのような環境でモニターを使用すべきである。
最近のパソコンでは、1670万色(RGB各色256段階:256×256×256=16777216色)表示可能なものが多い。搭載しているグラフィックメモリの量によるが、一般的なデスクトップで、15インチもしくは17インチCRTディスプレーを使用している場合、1280×1024ドットで1670万色表示可能であろう。ラップトップやデスクトップでも液晶ディスプレーの場合は、同じ1670万色でも、階調表現は乏しいことが多い。また、古い機種や、色数を減らして表示領域を大きくして使用しているような場合、1670万色以下(65536色、256色など)のこともあり、その場合は以下のテストおよびその調整はあてはまらない。しかし、モニターで写真を閲覧する場合、1670万色表示可能な環境の方が有利である。調整可能な場合は調整してから使用することを強く勧める。
なお、ディスプレーは電源投入直後は不安定であることが多いので、10分以上経過してから調整を行う。

●階調・色温度テスト
00 
10 
20 
30 
40 
50 
60 
70 
80 
90 
a0 
b0 
c0 
d0 
e0 
f0 
ff 

上の図を参照いただきたい。00からffまで番号を振ったグレーのグラデーションである。すべての階調が認識可能だろうか。00と10、f0とffが同じ濃さに見えていたりした場合、調整は相当ずれていることになる。
多くのディスプレーには、輝度とコントラストの調整ボタン(ダイアルの場合もある)が付いている。ディスプレーのマニュアルに従い、上のグラデーションが破綻なくすべて視認できるように調整する。
調整不可能な場合は、ディスプレー蛍光体の劣化、不調、もしくは、グラフィックボードの問題、ケーブルの接触不良である可能性も高い。
次に、色を見ていただきたい。上のグラデーションが、すべて無彩色のグレートーンに見えるであろうか。赤みがかっていたり、青みがかっていたりする場合は色の調整をする必要がある。
色温度を設定できるディスプレーでは、適した色温度に調整することによって色味が取れる。多くは色温度が高く、青みがかってみえるのではないだろうか。色温度が9000Kなどに設定されている場合は6500K前後に下げると効果的であろう。
RGBを個別に調整できる場合は無彩色の階調になるように調整する。

RGB
00   
10   
20   
30   
40   
50   
60   
70   
80   
90   
a0   
b0   
c0   
d0   
e0   
f0   
ff   

RGB各色の階調である。すべての階調が段階的に見えるであろうか。上下いくつかのマスがつながって見えるようであれば、調整が必要である。

●暗部階調テスト
monitor_test-black.jpg

上の図には、上から順に040404、080808、0c0c0c、101010と書かれている。これがすべて判読可能であろうか。040404はかろうじて見える状態が正常である。040404や、080808が全く見えない場合は暗部の階調が表示されていない状態である。コントラスト、輝度をさらに微調整し、暗部の階調が見えるように調整する必要がある。
●明部階調テスト
monitor_test-white.jpg

上の図には、上から順にfbfbfb、f7f7f7、f3f3f3、efefefと書かれている。これがすべて判読可能であろうか。fbfbfbはかろうじて見える状態が正常である。fbfbfbや、f7f7f7が全く見えない場合は明部の階調が表示されていない状態である。コントラスト、輝度をさらに微調整し、明部の階調が見えるように調整する必要がある。

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Created:2003/01/06